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人事評価制度を構築する

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2016.8.16

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コンサルティング費用は100万円かかりましたが、今後の医院経営を安定化
させるうえで、「絶対に必要だ」という院長の判断により、人事評価制度構築
をさせていただくことになりました。

今回は、スタッフが10人以上いる医院、分院がある医院では絶対に必要と思
われる人事評価制度構築について、お話をさせていただきます。

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1.ある歯科医院の話

2003年6月、ある歯科医院で人事評価制度を構築いたしました。

当時、院長から次のような相談がありました。

「うちは、本院と分院があって、スタッフは10人以上、ドクターも3人
以上いる。しかし、スタッフもドクターも全部、自分が教育しないとい
けないような状態です。自分はドクターの教育をするだけでも手一杯な
ので、スタッフの教育を何とかスタッフに任せられる仕組みを構築して
ほしい。」

というものでした。

このような経緯で、人事評価制度を構築したのですが、1年経った今、先日お
伺いしたときには、スタッフが順調に育ち、スタッフがスタッフを教育すると
いう、当初の狙い通りとなっていました。

また、その結果、院長からは

「おかげで、ずいぶん、医院経営が楽になりました。これまでは、医院
の運営を任せられるスタッフがいなかったので、凄い細かいところま
で全部、自分が見ていないとダメでした。

しかし、このシステムができてからは、医院の運営がずいぶん、楽に
なり、安定しました。

今までは、自分一人が一生懸命、常に130%ぐらいの力を発揮し続
けることで、維持していたものが、スタッフに50%近く任せること
で、自分は80%くらいの力で医院を維持できるようになりました。

おかげで、スタッフが急に辞めても、人が育つ仕組みが出来ているの
で、安心です」

という言葉をいただきました。

この院長が抱いていたような不安は、恐らく、多くの院長が抱えている悩みだ
と思います。その根本的な問題点は、

「任せられるスタッフがいない」
「人が育つ仕組みが出来ていない」

というところにあるのだと、私は思っております。

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2.なぜ、人が育たないのか

では、歯科医院の中で、何故、人が育たないのでしょうか。

それは、人を育てる仕組みがないからです。

現在、20代の女の子の大半は、目標を持っていません。

「5年後、どうなっていたいか」

という質問をしても、ほとんどの子が

「考えてことがありません」

とか

「結婚していたい」

などの答えをします。

つまり、

「仕事の上で、5年後このようなレベルに到達していたい」

ということを考えて、仕事に取組んでいる子はほとんどいないのです。

また、例え、頑張っているスタッフがいたとしても、適正な評価・適正な報酬
が与えられる仕組みが出来ていません。したがって、スタッフの中で

「頑張っても意味がないのではないか」
「頑張っても見返りがないのではないか」
「医院の収入が増えても、私たちの収入は増えずに、院長の収入が増える」

という一種の諦め感があります。

この2つの問題が、スタッフのやる気を阻害しているといっても過言ではない
のです。

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3.人事評価制度の概要

人事評価制度を構築する上でのポイントは以下のようになります。

(1)スタッフにランク制を導入する

これまで、大半の歯科医院では、「スタッフ」と「主任もしくはチーフ」とい
う2つの種別しかありませんでした。

この種別を増やすのです。「スタッフ」はA,B,C,Dなど4つ程度に分類
し、管理職は「主任」「チーフ」「マネージャー」と3つ程度に分類します。

(2)各ランクに求められるスキルを明文化する

これまで、歯科医院で行われていた評価において、良くない点は

「院長の好き嫌い」

によって、評価が変わるという点です。医院が小さい間は問題がないのですが、
スタッフ数が10人近くなってくると、様々な問題が起きてきます。

また、スタッフは将来的な目標を持って、現在の仕事をしているわけではあり
ません。したがって、スタッフのランクを細かく区切ることで、

「半年後の目標」
「3ヵ月後の目標」

というのを自分で持たせるのではなく、こちらから与えてあげるのです。

そうすると、スタッフは目の前の明確な目標に向かって、走り出すことが出来
るのです。

そして、そのランクごとに求められるスキルを明文化することが大切です。明
文化することで、自分がどれくらいできているのか、ということが評価できま
すし、院長が評価するのではなく、「主任もしくはチーフ」などの役職者が評
価をすることが出来るようになるのです。

そのような基準が明確化されていなければ、役職者はスタッフを主観でしか評
価することができませんし、指導をすることも難しくなります。なぜなら、言
われたほうも、

「そう思ってるのはあなただけよ」

と思いかねないからです。

役職者は自分が嫌われるのは嫌なものです。

「これは私が言ってるのではなく、医院の基準だから言ってるの」

と言えるだけの明確な基準を作らないと、スタッフにスタッフ教育を任せるこ
とは難しくなります。

(3)報酬を明確化する

スタッフがどのランクにいて、医院の収入がどれくらいになったら、スタッフ
の年収はこれくらい、というのを明確化してあげることです。

それにより、スタッフは「頑張れば、収入が増えるんだ」と感じ、頑張ること
が出来ます。この設定の仕方は複雑なので、ここでは説明を省略させていただ
きます。

ポイントは

「医院が良くなればスタッフも良くなる、医院が悪くなればスタッフも悪
くなる」
「毎月の給与と夏のボーナスは固定で支給し、冬のボーナスに業績と評価
を連動させる」

ことです。

(4)役職者にコーチングをさせる

スタッフに対して、評価をして、「ここができていない」と言っても、スタッ
フは自分だけの力ではなかなか、出来るようにはなりません。

そこで、役職者がスタッフに対して、コーチングを行うのです。

以前、この連載の中で取り上げたコーチングですが、院長が定期的にスタッフ
に対してコーチングを行うのは、現実的には難しい側面があります。

そこで、役職者にコーチングをお願いし、1ヶ月、もしくは2ヶ月に1度、役
職者とスタッフが個別に、診療時間中にコーチングを行うのです。そのように
することで、スタッフはさらに目の前の目標と自分の課題を明確化し、抱いて
いる不安や悩みを解消していくのです。このコーチングの仕組みは本当に大切
です。

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このように、人事評価制度を構築することで、医院経営の安定と院長の精神的・
肉体的な安定を手に入れてください。

常に130%の力を出して不安な日々を送るのと、80%の力で医院経営と精
神が安定した日々を送るのと、あなたはどちらを選びますか?

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