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競業避止義務契約

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2016.8.16

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「勤務医がうちの医院の近くで開業するって言ってるんですけど、どうした
らいいですか?」

最近、院長先生から立て続けに、このような相談を受けました。
これはどこの医院でも、起こりうる問題です。

このような問題が起きるのはほとんどの場合、院長先生と勤務医の信頼関係
が十分に構築されていない医院です。

普段から、院長先生と勤務医の先生がしっかりとコミュニケーションを取っ
ておくというのはこのような問題を防止するという観点からも実は、非常に
重要なのです。

しかし、拙著『売上目標は立てるな!』に書いてるような良くない院長や
歩合制になってる場合は多くがこんな会話しかしてないのです。

「今月いくら?」
「そう。30万点行ったか!頑張ってね!来月もその調子で!」

これぐらいの会話しか交わされてないのです。
これでは、院長に対する尊敬の念を勤務医の先生が失ってしまったとしても、
無理はないのかもしれません。

勤務医の先生が医院の近くで開業することが良いなんて、全く思いません。
しかし、重要なのはこのような問題がいかに起きないようにするのか?
ということを忘れてはいけません。

そして、もう1つの予防策が「競業避止義務契約」を交わすことです。
これについては、「契約を交わしても法的な効力を持たない」と思われてる
方も多いようですが、そんなことはありません。

歯科に関する判例があるわけではないので、はっきりとしたことは申し上げ
られませんが、これまでの判例を見ても、きちんとした競業避止義務契約を
交わせば、その有効性はあると考えられます。

経済産業省が競業避止義務契約の有効性についてまとめた資料も公表されて
ますので、参考にしてください。
⇒ http://goo.gl/mheiiF

こちらの資料から有効性が認められやすい競業避止義務契約のポイントを
まとめると、以下のようになります。

Point1.競業避止義務契約を勤務医もしくは副院長のみと交わす

「全員と書面を交わしておけば、安心だ」と思うかもしれませんが、それは
かえって、逆効果になってしまいます。

例えば、DHであれば、あなたの医院を辞めた後、近くの医院に就職する可能
性はかなり高いといえます。しかし、競業避止義務契約で近くの医院に就職で
きないとしてしまえば、職業選択の自由を阻害することになってしまいます。

ですので、「医院の守るべき利益」から考えれば、患者様の流出が考えられる
人に限らなければいけません。そうなると、対象者は歯科医師もしくは副院長
ということになると思います。

Point2.医院の半径3キロ圏内など地域を限定する

あなたの医院で働いた歯科医師はその県で開業できないとなると、これは職業
選択の自由を阻害すると考えられます。

あなたの医院の患者様が流出すると思われる最低限の範囲に地域を限定するこ
とが有効性を持つ上で、重要だと思われます。

そう考えると、一般的な歯科医院であれば、「半径3キロ圏内では開業しない」
というレベルが適切かと思われます。

Point3.競業避止義務期間を1年程度とする

あなたの医院で働いた歯科医師は半径3キロ圏内でずっと開業できないという
のもやはり、職業選択の自由を阻害すると判断されるようです。

ですので、判例としては医院を辞めてから1年間は半径3キロ圏内で開業しな
いという内容に留めるのが適切だと思われます。

上記をまとめますと、競業避止義務の有効性を保つためには、以下のような内
容になるかと思われます。

対象:歯科医師もしくは副院長
地域:医院から半径3キロ圏内では開業しない
期間:医院を辞めてから1年間

「じゃあ、うちで勤めていた歯科医師がすぐ近くの医院で勤めるという場合
はどうなんだ?」

と思うかもしれませんが、開業ではなく、転職についても競業避止義務の内容
に入れてしまうのは有効性が認められなくなるのではないかと思います。

ただ、私は弁護士ではありませんので、詳細は弁護士や社労士さんにご相談
下さい。最終的な競業避止義務契約の作成については自己責任でお願いしま
す。

もし、仮に、裁判で有効性が認められなかったとしても、上記内容であれば、
かなりの有効性を期待できます。ですので、抑止力としても必ず、競業避止
義務契約は交わすことをオススメします。

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